2017年5月14日日曜日

産地の学校の開校式

本日(5/14)、「産地の学校」の開校式と第1期スタディーコースを開講しました。

5年前に僕がロンドンから帰国して、国内の繊維産地をまわる全てのきっかけをくれたのが、
当時のみやしんの宮本英治さんだったので、どうしても初回の授業は宮本さんにお願いしたかった背景があります。

さらに、宮本さんが所長を務める「文化ファッションテキスタイル研究所」と「産地の学校」が
技術指導契約を結べることになったので、正式に受講生の皆さんに発表させていただきました。


文化ファッションテキスタイル研究所について :  https://www.wwdjapan.com/190004
"シャトル織機やドビー織機のほか、最盛期のDCブランドのサンプルや設計指示書などが1万点以上残されており... "

通常は、文化学園の生徒しか利用できない施設ですが、産地の学校の受講生もこちらで
サンプルを見て勉強したり、宮本さんの講義を受けることができるようになります。
機屋に入りたいという希望者がいれば、テクニカルなことも追求できます。

本当にたくさんの方のご協力とエールとお叱りがあって、今日を迎えることができました。

基本的に思いつきと無茶ぶりの僕に120%で対応してくれるスタッフのみんな。
一緒に事務局をしてくれている山脇さん、遠坂さん。児島からヘルプしてくれている島田さん。ウェブ制作、写真・動画撮影、コンテンツの全域を担当してくれている近藤さんはじめ、DEED FASHIONチーム。プレスリリースなど要所要所で助けてくれる津田ちゃん。ロゴを作ってくれている山形の吉田さん。共感してくれて手を差し伸べてくれているファーマーズマーケットチームの皆さん。
繰り返すけど、黒子役に徹してくれているスタッフのみんな。本当に感謝です。

思い返せば、セコリ荘に相談に来てくれる方の数が僕のキャパを超えて仕組み化が必要になって、
坂口さんと水内さんに学校という仕組みを相談しはじめたのが、もう1年半も前。

そこからひたすらに数え切れない方に"ものづくりの学校"構想を話して、意見をもらってきました。
全ての方に感謝を込めて、意義のある仕組みとなるよう前進していきます。

「産地の学校」をはじめるにあたって、続けられなくなった仕事も多々あって
少し時間が経った今でも申し訳ない気持ちがありますが、業界に貢献していくことで恩返ししていきたいと思っています。

関係してる皆さんもこれから関係してくださる皆さんも、
今後とも産地の学校をよろしくお願いします。


2017年4月6日木曜日

新刊「FASHION ∞ TEXTILE」




繊維産業とファッションの今を伝える書籍「FASHION ∞ TEXTILE」
完売後、幻的な存在となってしまった「Secori Book」(2013年)に続く2冊目の書籍「FASHION∞TEXTILE」(ファッション・テキスタイルと読みます)が6月下旬に出版される運びとなりました。

Secori Bookが売り切れてしまって、
お問い合わせや追加入荷のご連絡があっても何もできず、情けない幻としてしまったのは、やはり自費出版だったからです。
出版をメインの事業にするならまた違いますが、やはり自費での出版は厳しいです。

1年以上かけて、こうやって僕らの本を世に出していただく
「ユウブックス」の矢野さんには本当に感謝です。
月島のセコリ荘まで通い詰めてくれたし、打ち合わせで金沢にも来てくれたり
ほぼ全ページのコンテンツにお付き合いいただいています。

なので恩を返すためにも、1冊でも多く手にとってもらいたいですし
自費では出せない部数が刷れることもあるので、この出版を機に
1人でも多くの人に産地のことや、テキスタイルのこと、それがファッションと結びつく世界を知ってもらえたら嬉しいです。

これまでとこれからの活動の目的そのものではありますが
ファッションとテキスタイル産地がもっとリンク(∞)して欲しいという想いから
書名を「FASHION∞TEXTILE」にしました。

特集のパート1は「これからの日本のファッション産業」をテーマに、職人・デザイナー・教育関係者・記者
・プロデューサーなど、国内外で活躍するさまざまな方の声を集約しています。
特集のパート2では、北陸産地の11工場の取材記事が書き下ろされています。

学生とデザイナーの座談会、インタビュー、対談、
Secori Galleryの今後の展望まで盛りだくさんの160ページです。

書籍を一足先に読みたい、漏れなく手にしたい、書籍にまつわる商品や機会も合わせて手にしたいと思ってくださった方、
新しい出逢いやきっかけになっていただくことを楽しみにしています。

先行受注はこちらです
CLOSS : https://camp-fire.jp/projects/view/24474

誌名:『FASHION ∞ TEXTILE(ファッション・テキスタイル)』発売日:2017年6月下旬
発売予定
判型:B5判・160ページ定価:2300円(税別)








2017年3月17日金曜日

5度目の求人を終えて





四季の美』 という工芸全般の情報発信と求人を扱うメディアにて
僕らにとって五度目の求人募集をさせていただきました。

一度目は日本仕事百貨さん
二度目はこのブログにて
三度目はPOPEYEの記事
四度目はJDNさんにて
今回は四季の美さんでお世話になりました。

今回の求人記事は経験・未経験、業種を限定しないで
幅広い出会いがあると嬉しいな、という思いがありました。

僕らは、ほぼ毎週繊維産地の工場を訪れていて
職人さん、ブランドさん、メディア関係の皆さんとのお仕事が中心です。
糸編が事業フィールドです。
違う業界にいた方・いる方とも一緒に糸編でのお仕事ができたらと考え
今回は「繊維出身、テキスタイル・アパレル畑、ファッション好き」
以外の方との出会いを特に楽しみにしていました。

結果、半数以上の方々がセコリギャラリーもセコリ荘のことも知らなくて、
願い通りのたくさんの新しい出会いに恵まれました。
(現在は、パリ出張、香港出張もあり面接が追いつかず、一旦ストップしてもらっているところです...)

そして、新しい仲間(内部・外注含めて)を迎え入れるにあたって
僕らのような小規模だからこそすべきこと、できること。
個人的に感じているミッションについて簡単にまとめたいと思います。

一番強く感じているのは
小規模だからこそ、仲間ひとりずつのキャラクターを最大化して個人の特性と特技に重なる事業領域で仕事そのものを作っていく
(もしくはリニューアルしていく)イメージです。
そして型がまとまり価値が明確になってきたら、内部・外部関係なく独立していってもらっても良いかなと考えています。
独立となると本人の希望ありきですが。

既存の仕事をお願いすることももちろん、たまにありますが
企画がまとまって、スタートが切れれば新プロジェクトに集中します。

2015年にオープンしたセコリ荘金沢も、2014年に事業に参画した下山が
「産地に移住して工場を回りたい」という強い希望があって、開店に至りました。

インターンのように入ってくれた大学生は、じっくり話し合ってきた結果
今年の秋からブランドを始めることになりました。
素材探し、生産から展示会までの全般をサポートするという形で並走していきます。
これからはじめるクラウドファンディングで先行受注を行う予定です。
7~8月頃、試着展示受注会も行います。

また、面接後に名刺まで作ったけど、
他のブランドさんに出向してもらい、内部で生産管理をしている方もいます。

そういえば、一番最初に参画してくれた、料理長も自分の工房をつくり
新しいお店づくりに向けて一緒に走っているところです。

個人の特性やビジョンに沿って、その時のニーズに合わせて新しいプロジェクトそのものを模索するのはとてもやりがいがあるし、
お互いにとってベストだと思っています。

こういった考えに至った根本には、その時代の流れに合うアウトプットが必要で
小規模だからこそより小回りを利かせていかないとならない、というところから来ていると思います。
(この時代というのは1年半サイクルくらいのイメージです)

だからプロジェクトも短くて1年、長くて3年くらいでアップデートしていくわけです。
つまり上記のように、新しいプロジェクトそのものを個人のビジョンと時代のニーズに合わせて、
繰り返していくのはちょうど良いのだと思います。

ツルヤシャツとセコリ荘のキュレーション生地の共同で
「ツルヤとセコリのカスタムシャツ」というプロジェクトも
ツルヤシャツの小野さん(当時は営業・販売)の希望と時代がマッチした感覚を得て
スタートしました。
しかし小野さんは現在は、週の半分以上を本格的に職人としての修行時期に入り
受注はストップしています。そしてまた小野さんにとって良いタイミングになり
時代と僕たちにフィットさえすれば、軽やかに再スタートをするわけです。

ですので今後も、
例えば小売店を開きたくて能力がある人が現れて、
僕と気や目的や問題意識が合って、
それが「日本のものづくり」がテーマだったとしたら
ありったけの力を注いで、一緒になって小売店を開くし、
etc という方針です。

こういった考えは、他の経営者やコンサル系の人がどう思うか気になるところです。
スタッフが定着しないし、事業が安定しない、膨大な時間をかけたのに利益にはならなかったり、
中核の仕事はほぼひとりで抱えるという、無謀な話なのかもしれないと思いながら、なんとかやってる感じです。

という視点があり、新しい人に入ってもらった時は、相乗効果が生まれたらいいなと思いながら、順々にお会いさせていただいています。

事業そのものにサポート役として貢献したいと思ってもらうことや
アルバイトだったらドライに時給感覚、というのがダメということではないです。
むしろ、慢性的なキャパオーバーなので縁の下の力持ち的な方に入ってもらいたいという気持ちもあります。

うまくまとまらないですが、
みんなそれぞれのキャラクターが最大に発揮されて、
内部とか外部とか関係なく、みんな好きなことを興して少しずつ形にして
サポートし合って、社会的価値を生んで貢献していけたら、それがベストなんじゃないかと思っています。
組織に全く縛られず、ゆるやかに連鎖と相乗をしながら(2017年3月の思考)