2013年8月1日木曜日

尾道帆布


尾道にある帆布工場さんを訪れました。
今回は尾道帆布を使ってバッグを作っているテキスタイルデザイナーの近藤さんにご同行させて頂きました。
電車が通ってる尾道の本島から工場のある向島へは船で5分ほどです。
船は本島と向島を行ったり来たりしているので、「ちょっと本島まで買い物へ」という距離です。ただ有料なので、地元の方々は車で移動しているようでした。
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聞くところによると、向島から瀬戸内海を超えて、タオルの産地で有名な今治市までは道路が整備されていて、車で1時間強で行けるそうです。
帆布は字のごとく船の帆に多く使われていたので、瀬戸内海に面した尾道で栄えた織物です。
化合繊織物がない時代は太い綿糸を高密度に織られた帆布は、最も丈夫な織物として
船の帆、列車、テント、生活用品まで様々な用途に使われていたそうです。
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綿帆布は経糸と緯糸の撚り合わせ本数によって生地が1号〜11号まで規格分けされています。
号数は会社毎に異なるそうですが、お伺いした尾道の帆布工場さんで現在一番スタンダードな4号は経糸が6本撚り、緯糸は5本撚りです。4号となるとかなりの厚地です。
数字が小さくなるにつれて生地は厚くなり、1号というのは明治時代に汽車やトラック用に織られていましたがいまでは1号の製織はしてないそうです。
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漁業用衣類の袖のパーツの裁断をしています。
強く撚られ、高密度で織られた帆布は加工なしで水も弾きます。
ポリエステルだと空気も通さないので、使用していて内側が蒸れることになりますし、
用途によっては結露が出ることにもなるそうです。
向島内の帆布工場は、訪れた尾道帆布株式会社さんのみとなり、生産量は現象しましたが、
今でも多くの手作業が入りながら生活の中で活躍してくれているんだなと実感しました。

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