2018年2月27日火曜日

産地の学校3期に向けて



2017年5月に開校した「産地の学校」。11月からはじまった2期生が年をまたいで
先週ついに最終週を迎えました。はやいはやい。4月から3期がスタートします。

繊維業界の窓口となり、関わるきっかけになる。
毎週の座学と工場見学で、魅力を伝え、繋がっていく。



テキスタイル、産地について短期集中で学べる場。
深く学ぼうと思うと底なしだけど、必要項目から優先的かつ効率的に。
仕事を初めて知らないと困ることを明確に。
専門性の高い領域をできるだけ楽しく。

工場、生地屋、アパレル、メディア、経営者などなど、同じ釜の飯を食べて繋がっていく場。
教室で終わらせず、繊維産地と本気で関わる分母を増やす。
新しいものづくりを生んでいく。

いろんなキーワードを掲げ、リピートしながら。

「参加して良かった」と思ってもらえるよう、
この船が目指すべきところにきちんと進むように、さらに気を引き締めて。

2期の修了生の方はラボコースにようこその方もいて、
全てのメンバーにエールを送り、引き続き共に走って行きたいです。

4月からの新しい出逢いの準備もぼちぼちと。

2018年2月11日日曜日

西脇ファッション都市構想


繊維産地である、兵庫県西脇市。綿を中心とした先染め織物が得意な産地で
国内では高い生産力も持つ産地。そんな西脇市が平成28年7月に掲げたのが「西脇ファッション都市構想」。


以下、西脇市のホームページからの引用です
本市においては、10歳代後半から20歳代の若者が、進学や就職に伴い 阪神間などの都市部へ大量流出するという構造的な問題を抱えており、播州織を支える若手人材が不足している状況が見受けられます。 
そのため、若手人材を本市に呼び込み、確保するには、播州織関連の雇用を生み出しとともに、播州織が若者にとって魅力的な産業になっていく必要があります。これらの状況を踏まえ、強みである素材生産を中心とした製品づくりを強化することに加えて、素材を生かし織物を使った最終製品までデザイン・製造することにより、ファション分野の産業を伸ばしていくことが求められています。
そこで、播州織に着目した地方創生として、播州織が抱える課題に対して、どのような事業に取り組んでいくかの方向性を体系的にファッション都市構想に示しています。
 
西脇ファッション都市構想のホームページはこちら

取り組み内容をすごく簡単に説明すると
(1)西脇市の繊維企業へ新規就労を増やす取り組み(PRイベント・助成など)
(2)産地内でのコミュニティ形成の支援(365cotton、コワーキングスペース「CONCENT」の設立)
(3)セミナーなイベントなどの開催・個別相談など

※宮浦の解釈、要約バージョンです

繊維産地に興味がある!働きたい!という若者が全国に数多くいるのは事実です。
そんな若者たちが産地企業に繋がった時に、最初に浮上する課題が受け入れ企業の経済事情と条件。
当然、いろんな意味で簡単に人を増やすことなんてできないです。
受け入れ側は、向こう数年の経営状況を見据えて、新しく入った人に給料を払い続ける。
とことん新人の成長に向き合う。人を入れるという決断の重み。その責任と覚悟はなかなか。

その課題に直接作用するのが西脇市が打ち出した施策で、上の(1)の部分ですが、
3年間という期限を設けて、金銭的なサポートもする。

これがフィットしたことで、西脇市には施策開始後、17人(平成30年2月現在)もの新規就労者が増えました。
この17名の就労が「とりあえずのマッチング」で終わらせないことが最重要だと思っています。弊社も平成28年末からこの事業のサポートに携わらせていただいていますが、まさにこの部分に全力でサポートすることが使命だと思っています。

そんな任務の今年度最終日の出張が今日終わりました。
みんなと見つめあって、悩みや展望を聞いて、話して、確認。
17通りの理想と課題があることに対して、最適解を追求する。
目の前をしっかり見ながらも、ちょっと先の未来、これからの新規就労者のことも考えていく。

とてもお世話になってきた西脇、西脇市の中のみなさん。
思い返せば、初めて生地を買わせてもらったのは西脇の機屋さん。

繊維の産地である西脇が持つ魅力を少しでも後押しできるように。構想は続きます。

2018年2月7日水曜日

トレーナー、サポーター(裏方の仕事)

AbemaTVの『格闘代理戦争』という番組が毎週日曜に放送されていて、
気づいたらここ数ヶ月、日曜の真夜中に番組を追いかけていました。

魔裟斗、山本KID、小川直也(柔道家)、武尊の4名からの推薦選手がトーナメント式で戦うという番組の構成で、試合本番に向かうプロセスに魅力が詰まった内容。K-1絶頂期にテレビの前で熱狂していた30~40歳の男性が、おそらく番組のターゲット。

魔裟斗が放送の締めに「(推薦選手が)1人で練習をしていたら半年かかることを2ヶ月で教えた。これがプロのトレーナーとしての仕事だった」みたいなことを言っていたのが印象的でした。



まさに魔裟斗が言う、このトレーナー的な、サポーター的な仕事が僕自身目標にするところだと思いながら、番組を見納めしました。

格闘技だったら、試合で相手に勝つことにまっすぐ向かうトレーニングがベスト。

2017年に開校した「産地の学校」の話に置き換えると、
「こんな学校があったら良い!」「繊維産地をまわり始めた自分にとって、こんな学校があったら!」という僕自身のリアルな視点で、これから繊維産地と深く付き合っていこうという歩みをサポートする学びの場、繋がりの場を目指しています。

繊維産業というのは本当に覚えることが山ほどあって、原料、染料、織物、編物、染色、加工などなど、さまざまなセクションごとに厚い専門書が何冊も存在していて、掘り進めれば進むほどどんどん深いところまでいけて、しかも現在進行形で新素材や新技術、新しい機械が誕生し続けています。

僕は産地をまわりはじめた頃、平日何時間も母校の図書館にこもって
繊維の本、素材学、組織の本、産地の本など読み漁っていて、難しく書かれているし膨大な量だしで、かなり混乱していたと思います。本によって書いてあることは時々違うし。とにかく難しく書いている内容を解読するのに時間がかかったのを鮮明に覚えています。

産地の学校では、知識に関しては「必要なところをできるだけわかりやすく効率的に」というのが講義の裏テーマなのは、当然だけどすごく大事なポイント。あとは活きた情報とノウハウ、考え方、楽しさ。ついつい難しく説明してしまうのが専門家の方の魅力でもあるのですが、みんながしっかり付いていける講義にする必要があるので、お越しいただく先生とはみっちり打ち合わせをして、資料づくりや用語集づくりも最適化を目指します。

講義前、講義中、講義後で徹底して学びの場をサポートするのが、事務局の仕事。

「学びの効率化のサポート」みたいに書いてしまったけど、ちょっと間違えていて、産地の学校は就職・転職活動中の方、ブランドを立ち上げる方、事業主の方などもいて、流動的な"貢献できる部分"に「事務局のサポート」という形そのものが最適化されるのがベストだと思っています。