2018年10月16日火曜日

「産地の学校」が広川で開講する



写真_川嶋克

東京で開校した「産地の学校」ですが、2018年11月から福岡・広川町で「ひろかわ産地の学校」を開校することになりました。

冒頭ですが、いちばんお伝えしたいことを先に書きます。

「ひろかわ産地の学校」は、特に福岡出身の方、現在少しでもUターンを考えている方、
アパレルや繊維産業のご経験者でなくても、福岡のお近くにお住いの方、
プログラム内容を見て、ピンときてもらったら
是非参加していただけると嬉しいです。きっと楽しんでいただけると自信満々です。

プログラム内容は ひろかわ産地の学校 をご覧ください。


僕自身、東京から広川に通いますが、各地から福岡空港までジェットスターが何本も飛んでいて、時間を狙えばかなり低予算で通うことができます。
しかも福岡空港は街中にあるので、そこからのアクセスも良いです。

全8回のプログラムですが、
僕自身が、ずっしりとした学びとプログラムを通した先の多種着想の確信が
すでにあります。ご関係者皆様のおかげで、かなり充実した内容になりました。

「産地の学校」が東京以外で開講するのは、
浜松の「遠州産地の学校」に続いて2拠点目になります。

世界にも類を見ない、糸加工・生産工程を経て
世界にここにしかないという圧倒的なテキスタイルづくりを行う
この産地に僕自身飛び込みたいという思いが、開講の話の速度をあげてきました。

東京で開催する産地の学校、遠州産地の学校、ひろかわ産地の学校
旭化成さんとのベンベルグラボ。産地の学校のコースは、全て内容が異なります。

繊維産地には産地ごとの魅力があり、課題もあり
そこに飛び込み「産地の学校」を開催するにはその産地にあった最適な形を探る必要があります。

開講する目的は明確で、
魅力を拡張して課題解決に貢献すること。
魅力を拡張できた先には、
新しい働き手が産地に入る導線が太くなったり
産地と仕事をするプレイヤーが増えたり、
その地域で起業する人が増えていくと考えています。

これから、ひろかわ産地に新しい視点、新しい感性が集って
学んで、考えて、議論して、実験もしていって、この産地が持つ特有の技術を理解して
定義しながら、素材開発や製品開発に繋げていく。

そんなことがはじまると思うと、今からワクワクしています。
広川でお会いしましょう。

2018年10月10日水曜日

産地の求人、就職、取り組みについて思ったこと



この連休(10/6・7)は富士山のお膝元、山梨県富士吉田市を中心に開かれたイベント「ハタフェス」でした。
「産地の学校」として参加させていただいて2年目となる今年は、移住希望者・移住検討中の方を対象に、
求人中の企業さんを訪れるツアーと、ポップアップ屋台をさせてもらいました。(屋台は made by 赤松智志)

詳細は 富士吉田ゴーゴーゴーのサイト

このイベントに向けて数ヶ月の準備期間があって、
その間に考えを練ってみたり、さまざまな方と情報交換意見交換をさせてもらったので、
「産地への就職、取り組み」について考察を残しておきたいと思います。

産地単位で抱える最大の課題の1つが人材・担い手不足。
どの産地でも、多くの事業者さんが直面していることだと思います。
人材不足という課題が背中合わせになっているのが、売上・原価高騰の
経営的事情でもあるので、切り分けてはとても考えづらいのですが
今日はまず、繊維企業の求人と就職、その施策について考えていきたいです。

採用には、採用コストもかかりそれから教育コストもかかる。
入社してもらったからには、社風にマッチして、できるだけ活躍してくれて
そしてできるだけ長続きするのが理想の採用の形です。

1つでも良い求職と求人のマッチング。
ここは僕らの役割の1つだと思っています。
ミスマッチは誰も幸せになりませんので。

現時点までの考察。僕の視点でできること・やるべきを下記に簡単にまとめます。

(1)移住(就職)先のエリアに興味のある人に定期的に集まってもらう
(2)求人イベントを定期的に行う
(3)内部・外部からその地域(企業)の魅力を届ける

単発のマッチングでなく、産地の人材採用の良循環をつくるために
まず、上記の3つの取り組みが必要と考えました。

(1)地域しばりで集まる会です。例えば山梨出身の人、山梨への移住・就職を考えていることが参加の条件の交流会、懇親会。トークイベントや勉強会を絡めた食事会のイメージです。地元のご飯を食べれると良いですよね。この集まりでは、地域の情報、魅力も共有してコミュニティを作っていきます。UターンIターンの先にも続くコミュニティになるし、先に移住した方との情報交換もできるようになります。背中を押してもらったり、辛くなった時の繋がりになったり。 → このコミュニティ作りに向けて、僕ら(糸編)ができることはなんだろう。セコリ荘を運営してはきましたが、キャパの問題もあるので、改めてカフェバーみたいなのを作っても良いかなと考えています。最大30人くらいが入れるような。

(2)求人イベント、地域別の合同会社説明会です。固くなくカジュアルなやつです。企業がまとまって募集要項を求職者の方々に直接伝える場です。(1)と違うのは参加者が、繊維企業への就職希望・検討者対象に限定していることです。この先にあるのが、産地見学会やバスツアーですね。→ 昨年開催した合同会社説明会がなかなか良かったので、引き続き開催したいと思います。産地見学会やバスツアーの企画、アテンドなども僕らにできることがあると思います。

(3)最後に。メディア的役割。内部外部の人がその地域の魅力を違った観点で発信することがマストです。→ これには産地の方が情報発信をすることをサポートするという間接的なサポートもできます。 そして僕らの立ち位置ですと「TEXTILE JAPAN」というメディアとショールームを準備しています。そこで編集部としてそれぞれの産地の魅力を伝えることもできるし、産地の働き手にインタビューすることもできます。(3)が(1)に繋がります。これが循環です。

ここまで読んでくださった方はお気づきかと思いますが
実は、この循環対象のメインは中途です。おそらく26~32歳くらいの方がメインターゲットになるのではないでしょうか。

・学校を出て企業で3~5年働いて転職を考えている方
・30歳前後で将来設計を立て直している方
・様々な理由から地元に戻ることを考えている方

です。こういう方にとって、「情報が届いて」(3)「コミュニティ(1)」に参加できて「会社説明会」(2)があるのはとても効率が良く心強いことです。

そしてそして、この(1)(2)(3)に加えて、
やはり専門学校、大学のできること・すべきことも明確になってきます。

ここについて詳しくはまた書きたいと思います。